山行 [漢詩]
秋にふさわしい漢詩、【山行】。唐の詩人杜牧(とぼく)作。
遠くを眺めると白雲の白さ、目を近くに転じると、霜にうたれた楓の紅色。まるで絵画を見ているような作品。
坐愛(そぞろに愛す)とは、去るに去れず茫然と立ち尽くす様を表している。大好きな秋の詩。
遠く寒山にのぼれば 石径斜めなり
白雲生ずる処 人家あり
車を停めて坐(そぞ)ろに愛す 楓林の晩(くれ)
霜葉(そうよう)は 二月の花よりも紅なり
はるばる遠く、ものさびしい山に登ると、石の多い山の小道は、斜めにつづいている。
かなたの白雲のわき上がっているあたりに、人の住む家が見える。
山かごを停めて、そのままうっとりと、楓の林の夕暮れを眺めると、
霜にうたれて色づいた葉が、春の盛りに咲く桃の花よりも、
その紅の色が鮮やかであった。※旧暦の二月
2009-09-29 05:52
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コメント(2)
素晴らしい~
by queensalmon (2009-09-29 17:34)
この杜牧の「山行」。
林道を車で走っていると、ときどきとんでもないほどの辺鄙な場所にひっそりとした小さな集落に出逢うことがあります。かつて落人の部落だったのかもしれません。
この詩のような風景にぼう然と立ちすくむ時があります。
すばらしい詩ですね。。
by komichi (2009-10-02 11:30)