B級の極楽(十条・斉藤酒場)-1 [散歩]
今回は北区東十条と十条。
東十条・十条・赤羽を結ぶエリアは大衆酒場と銭湯の、
【黄金の三角地帯】とも呼ばれていて、昭和の香りが色濃く残る一帯。
永田町で地下鉄南北線に乗り換えて、王子神谷駅で下車、JR東十条駅に向かった。
まずは、『東京銭湯お遍路マップ』でめぼしい銭湯を探す。
駅近くに地蔵湯と藤ランドの2軒があった。
藤ランドは、薬湯、大きな岩風呂、ジェットバス、サウナがあり充実。
地蔵湯は銭湯脇のお地蔵様が屋号の由来で、街の人に愛されてますとある。
迷った末に地蔵湯に決めた。街の人に愛されているという銭湯には、行かねばなるまい。
スペックより名前・情緒を選んだのだ。そんな大げさな事でもないか‥。
開店の3時には間があるので、近所を写真スケッチ。開店と同時に地蔵湯へ。
番台のおばさんに、「日本とキューバどっち勝ってる?」とたずねたら、
「4対0で日本だよ!」「よし!よし!」
地元のじいさん達がフラフラと集まって来た。俺も遠くからフラフラ。人のこと言えないけどね。
銭湯は掃除が行き届いていて、清潔で気持ちいい!
低温サウナでゆっくり汗をかいたので、外の春風が心地よい!
十条商店街を抜け、今日の本命、JR十条駅近くの大衆酒場の殿堂【斉藤酒場】へ、いざ!
斉藤酒場はJR埼京線十条駅前の路地裏にあった。
開店4時半に少し間があったので、駅前ロータリーの芝生にゴロリ。
青空を眺めていると、遠くから機関車の汽笛が「ピ―」と聞こえてきた。
機関車の汽笛は、ちょっと切なく物悲しい。
暖簾が出て店内に入ると、もうすでに常連さんの先客が、薄暗い店内にいた。
おかみさんの「お待たせしました。開店です!」の合図で店内の照明が灯る。
ピカピカに磨き使い込んだテーブルに花一輪。開け放たれた入り口から春風が舞い込む。
昭和3年開業らしい。「渋い、渋すぎる。たまらないね~!」
おかみさんと若おくさんの二人が手際よく次々とお客の注文を取る。
「はいそちら、ビールの小瓶ね。」
「はい、肉豆腐ね。」「そちらは?日本酒?ぬる燗でね。」
「はい、はい、順番だから待っててね~。」
百戦錬磨の酒飲み達は、悟りをひらいた修行僧の様に、
静かにそれぞれの酒や肴を味わっていた。
前のテーブルのおじいさんは、時おり背筋を伸ばし、片手で口を拭い、ゆっくりと小瓶のビール飲みながら、
遠くを見つめている。「美しい!酒飲みの美しい真の姿だ!」
となりのインテリ風なオヤジは、一人の若者相手に、延々と世の中の薀蓄話を語り、
前の若者二人はアメリカと日本のスナック菓子の違いを熱く語っている。
お銚子を二本ほど空けると、また遠くから機関車の汽笛が聞こえて来た。
ビール小瓶一本、お酒二本、しめ鯖、串かつ、お新香、〆て1,550円也。
斉藤酒場
北区上十条2-30-13 03-3906-6424
16:30~23:30 日祝休み
いいですね~~
昭和の香りが満載ですね。
下町の路線と銭湯それまた親父さんたちの飲み屋、どれもたまらないです。
ほんとモノクロの良さが100%出ています。
大変いい写真を拝見させて頂きました^^
by hukayoi (2009-03-21 20:43)
開店と同時にすぐに満席。酒飲みの聖地でした。でも名店にありがちな妙な緊張感はなく、皆静かに語らいながら、ゆったりとした時間が流れてました。
by maru (2009-03-22 16:52)