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月下独酌 [漢詩]

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大好きなお気に入りの漢詩を紹介します。月下独酌。盛唐の大詩人【李白】作。
李白は酒仙としても有名で、同時代の杜甫の作【飲中八歌仙】にも、
(当時の酒豪八人を取り上げて、その酔態をユーモラスに描いている。)
李白は一斗にして詩百篇
長安市上、酒家に眠る
とある。一斗の酒を飲めば、すぐさま百篇の詩が出来上がり、
いつも、長安の町の居酒屋で酔っ払って寝ているという
大変な大酒飲みだったらしい。

詩の形式は五言排律。排律とは偶数12行以上の詩。
月の下で、自分と自分の影と月と3人で、酒を飲むという
大変ロマンチックで幽玄な詩。
目の前にその幻想的な映像が浮かんで来そうだ。
でもその裏には李白の寂寞たる孤独感が漂う詩でもある。

月下の独酌 花間一壺の酒 独酌あい親しむなし
杯をあげて明月をむかえ 影に対して三人となる
月はすでに飲むを解せず 影はいたずらに我が身にしたがうのみ
しばらくして月と影をともないて 行楽すべからく春におよぶべし
我歌へば月徘徊し 我舞えば影零乱す
さむる時はともに交歓せるも 酔ひしのち各々分散す
永く無情の遊を結ばん あひ期さんはるかなる雲漢に 

花の間で酒壷ひとつかかえ、
友もいないので、独り酒を飲む
杯をあげて明月をむかえ、自分の影法師も入れると
三人の仲間が出来た
しかし月はもともと飲むことを解しない
影はただ、私が動くにつれて動くだけ
だかまあ、月と影にお相伴させて
楽しみ味わうのは、まさに春のうちにかぎる
わたしが歌うと月もさまよい
わたしが踊ると影もふらふら踊りだす
正気のうちは、こうして一緒に喜びあっているが
酩酊したあとは、めいめいばらばらになってしまう
しかし、月と影と私の三人は
人間離れした遊び仲間の契りを永久にむすぼう
そして、あの遥かなる天の川のあたりで会うことにしよう

武部利雄「中国詩人選集・李白」より訳文引用

◆成澤秀麗公式ブログ 美と遊ぶ日々◆
http://ameblo.jp/shurei88

成澤秀麗先生【書道普及協会】受講生インタビュー記事
http://www.syo-miryoku.com/report/students.html


                

 


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コメント 5

Rikarinto

maruさんの書とてもかっこいい。
この詩のように、一杯やりながら孤独を楽しめる、大人の愉しさが伝わってきてすごく気持ちの良い書です。

さっそく他のページも拝見しました。

十五夜望月では日本画まで書かれていてびっくりしました!
私の想像とはぜんぜん違う風景で、大変興味深く拝見しました。

他にも鳥や猫、身近な風景の写真がとても好きです。
また時々御邪魔しまーす!

by Rikarinto (2009-01-29 20:46) 

Baldhead1010

飲むのなら、月下でも日下でもいいです^^;
by Baldhead1010 (2009-01-30 06:18) 

maru

Rikarintoさんコメントありがとう。
by maru (2009-01-30 07:24) 

maru

ガード下も良いですよね~!
by maru (2009-01-30 07:25) 

komichi

この「月下独酌」は酒飲みの孤独も感じられて・・・
いいですね。
maruさんの書も腕を上げられましたね!
by komichi (2009-01-31 23:36) 

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