江南の春 [漢詩]
続けて季節を先取りした、春爛漫の漢詩を。
唐の杜朴(とぼく)作。
七言絶句(四行詩)。江南の春。
千里鶯啼いて 緑紅(くれない)に映ず
水村 山郭 酒旗の風
南朝 四百八十寺 多少の楼台
烟雨(えんう)の中(うち)
広々と広がる大地に、鶯の声が響き渡り
木々の緑が花の紅(くれない)に照り映えて
水辺の村や、山沿いの村では
酒屋の青いノボリがはためいている
古都には南朝以来の寺が立ち並び
たくさんの楼台が、春雨の中に霞んで見えた
春が待ち遠しいですね。
江南(長江下流の南岸一帯)の春景色を、色彩あざやかに描いた作品として有名。「千里」は江南の広さをいう。
「酒旗」は居酒屋の旗。酒の銘柄などが書かれていたとされる。「南朝」は金陵(今の南京)に都を置いた、
呉・東晋・宗・斉・梁(りょう)・陳の六朝をいう。梁の武帝は仏教を厚く信奉し、多くの寺院を建立した。「四百八十寺」とは、
当時そのような数で呼ばれいたらしい。「楼台」は寺の高い建物。◎解説は【漢文名作選3】より引用。
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成澤秀麗先生【書道普及協会】受講生インタビュー記事
http://www.syo-miryoku.com/report/students.html
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