SSブログ

月夜 [漢詩]

15 168.jpg

38b045faaa1ac33aのコピー.jpg

家族への情愛を切々と描いた美しい詩。
盛唐の詩人【杜甫】作。月夜(げつや)。五言律詩。
杜甫45歳の秋。長安で安禄山の反乱軍に捕らえられ、幽閉の日々の中、
遠くふ洲にいる妻子を想って詠んだ詩。

漢詩の楽しみ方その1
声を出して何度も読んでみる。
詩が心の中に沁み込んでくる様だ。

漢詩の楽しみ方その2
漢詩の字面を視覚的に楽しんでみる。
特にこの【月夜】は
香霧(香りある霧)・雲鬟(黒髪)・清輝玉臂(玉のような白い腕)などの
美しい漢字が散りばめられている。
月光の冷たい輝きと、妻の美しさと、そして夫婦の情愛を
まるで絵画の様なタッチで描いている、珠玉の名作。

今夜ふ洲の月 けいちゅう ただ独り 看るらん
はるか憐れむ しょうじじょの
いまだ 長安をおもうを 解せざるを
こうむ うんかん潤い
せいき ぎょくひ寒からん
いずれのときか きょうこうにより
ともに照らされて るいこん乾かん

今夜あなたは、ふ洲の月を
自分の部屋でただ一人、じっと見つめていることでしょう。
はるか長安で愛しく想うことは、小さな子供達は
捕らわれの身であることを、解らない。
香りある夜霧に、妻の黒髪は潤い、
清らかな月光に玉のような白い腕は、冷たく照らされているだろう。
いつか人気のない部屋の帳(カーテン)に寄り添って、
二人で照らされながら、涙の後を乾かそうではないか。

成澤秀麗先生【書道普及協会】受講生インタビュー記事
http://www.syo-miryoku.com/report/students.html

成澤秀麗公式ブログ 美と遊ぶ日々
http://ameblo.jp/shurei88



 


nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。