B級の極楽(東日暮里・遠太)-3 [散歩]
三ノ輪の「大勝湯」でたっぷりと温まった。歩き疲れた体に心地いい。
日光街道を少し歩き、東日暮里の酒場【遠太】に向かう。
遠太は「正庭(まさにわ)通り」を入ってしばらく、桜並木の下にあった。
年老い女将さんと、その孫の男の子がお店にいた。
暖簾が出ていないので、女将さんに尋ねると、
鰻や天ぷらもやっていた旦那さんが亡くなって、もう【うなぎ・遠太】の暖簾は、
もう店前に掛けないことにしたそうだ。
遠太は大正末期の創業で、近くの吉原に繰出す男達の止まり木だった頃もあったらしい。
生ビールで喉をうるおしていると、
ほどなく、ジャンバーをはおった地元の親父が威勢よく飛び込んできた。
そして、カウンターの湯沸かし器で勝手にお銚子を温めだした。
「これは、お前のミルク温めてた湯沸しだぞ!」と、笑いながら女将さんの孫をひやかした。
しばらくして、ふらりと外に出ると、一匹の魚をぶら下げて帰ってきた。
どうやら好きな魚を、近くの魚屋で買ってきたらしい。
女将さんに「塩きつめに、焼いて!」と頼んだ。
「いいのかね~、持込みの魚で?」
我が家同然。いいね~、気さくな下町の居酒屋は。
テレビからは夕方のニュースが流れている。
ポツ、ポツ集まってきた地元のお客達が、皆勝手にテレビに向かって話し出す。
「あら~、南米で飛行機のエンジンが落ちてきたの‥?」
「どこ?」
「ほら、黒んぼのいる遠い国だよ‥。」
いつまでも、ずっと居たくなる店だ。
帰り際、「ごちそう様でした。」と言って店を出ると、
背中越しに女将さんの声がした。
「ありがとうござい‥。又のお越しお待ちしてます!」
ここの肴は本当に何でも旨い!一味違う。又女将さん寄らせてもらいます。
山ウド酢味噌200円
たこわさ400円
ニラ玉250円 さらりとして旨いのなんの!
ししゃも300円
名物の焼酎ハイボール。秘伝の液で焼酎を割る。琥珀色でほんのり甘酸っぱい。抜群に旨い!こんな酎ハイ初めてだ。
最近見かけなくなった町の米やさん。ここでは健在だ。
◎居酒屋【遠太】
荒川区東日暮里1-31 03-3891-1175
17:00~22:00 日祝定休
「やってるぞ」の看板が笑っちゃいますね。
営業中なので、やってるぞ~!っていうことなのかな?
ほんとB級の極楽ですね^^
しかしB級とはいってもB級の良さがあります。
そのほどよいレベルの良さ、それが大事だと思います。
by hukayoi (2009-04-02 11:56)
A級もB級もC級もなく、良いもの良いですね。
by maru (2009-04-03 00:18)
いい古さですね。
こういったお店は長く存続してほしい。
by tamateドットcom (2009-05-09 12:43)