祖母の裁縫箱 [雑記]
物置を整理していたら、祖母の裁縫箱が出てきた。
その裁縫箱は昔の腕の良い職人が作った物らしく、丁寧な仕事ぶりの箱だった。
引き出しを開けてみると、日本橋木屋の鉄鋏、水牛製のへらや、キチンと芯を削りだした鉛筆とメモ帳があった。
メモ帳には細かい字で丁寧に、和服の仕立てのための寸法表がびっしりと書き込まれていた。
祖母は明治生まれの女性らしく、芯のしっかりした凛とした人だったが、
孫の私にはそれはそれは優しく、何でも受け入れてくれて、
親に怒られた時などはお婆さんの懐に逃げて甘えたかすかな記憶がある。
でも、腕白な私の悪戯が過ぎる時は、火の付いたお線香を片手に、追いかけられて、大層怒られたものだった。
古びた小さな裁縫箱は、なつかしい祖母と甘酸っぱい幼い頃の事を思い出させてくれた。
2009-07-12 13:03
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コメント(1)
私は典型的なお婆ちゃんっ子でした。いつもお婆ちゃんの部屋にいて、お煎餅がどこにあって、裁縫箱がどこにしまってあってと何でもわかってました(笑)子供にとって逃げ場があるのはいいですね~家の息子の安全地帯は爺様の部屋。
by queensalmon (2009-07-13 13:21)