即今・当処・自己 [雑記]
季節が巡り、今年も庭の梅ノ木に花が咲いた。
愛くるしい目をしたメジロが、花の蜜を吸いに来て、華やかさを増す。
鳥や動物は過去への思いも、未来への思いもなく、今を無心に生きている。
人間は心を持ったゆえに、過去への痛恨、未来への不安という
心の苦悩を得てしまった。
文芸春秋に「我が人生最良の瞬間」という特集があり、
宗教評論家ひろさちや氏の文があったので、ちょっとかたい話ですが紹介します。
「いまが最高」という文章に続いて、
ラテン語に「カルぺ・ディエム」といった言葉があります。
「いまを楽しめ」という意味。紀元前1世紀のローマの風刺詩人の
ホラティウスの言葉です。
また、仏教においては、とくに禅僧たちは、
【即今・当処・自己】ということを言っています。
【即今】は「いま」、【当処】は「ここ」です。
わたしはいま・ここで生きているのです。
いま・ここで生きている以外のわたしは存在しません。
もしもそのわたしが苦しみのうちにあるのなら、
わたしはその苦しみをしっかりと味わって生きればよい。
わたしがいま病気であれば、わたしはその病人をしっかりと生きるべきです。
苦しみのないわたし、病気でないわたしを夢見たところで、
そんなわたしは存在しないのです。
だから、わたしたちは「いまが最高」と思うべきです。
最高のわたしを過去に求めても、
「ああ、あのころはよかったな~」 それは存在しないわたしです。
いまのわたしが世間の人から見て、「気の毒な人」であっても、
それがわたしなのですから、それが最高なのです。
同じく最高のわたしを未来に求めても、それは幻想でしかありません。
わたしはいま・ここに存在している。
そのわたしだけが、わたしです。
過ぎ去れるを追うことなかれ、いまだ来られざるを思うことなかれ、だね。
メジロの目つき。かなりきついですね。
by Baldhead1010 (2009-02-03 06:45)
そーかもしれないですね。でも見かたによりますよね。(笑)
by maru (2009-02-23 00:02)